初の水入れ当番

雨の少ない香川には、ため池がたくさんあります。

ため池からは水路でたくさんの水田へと繋がっていて
6月の中旬の田植えの時期になると「ゆる抜き」と言って、ため池の栓のようなものをゆるめて水を流す行事があり、早朝にお神酒をまいて「ゆる」を抜きます。
その日は、各自、自分の田んぼに水が来たら水入れをするのですが、
それ以降は、私たちの集落では、田んぼを持ってる人たちで順番に担当する「水入れ当番」が、みんなの田んぼに水を入れます。

というのも、昔は水不足の香川では「水争い」「水喧嘩」があったから公平を保つためのようです。
(香川に移住する直前の東京にいた時、偶然、香川の水争いのことを特集した番組をテレビで観ました。)

私たちは元々、田んぼを借りる時にこの当番をしなくていいという事になっていましたが、水入れをする人が高齢になってきたこともあり、今年は私たちも初めて水入れ当番をすることになりました。

この水入れという仕事が、大変だと聞くばかりで、水の経路が複雑でややこしいのに、水の経路図があるわけでもなく、マニュアルもない。

とにかく誰かに教えてもらうのをお願いしないと!
ということで、いつもトラクターや田植えの時など、困った時に教えてもらったりたすけてもらってるお兄さん的存在(60代の方)にお願いして、一緒に田んぼを回ってダンナサンが教えてもらってきました。

忘れないように、翌日、2人で回って復習し、当番の前日の夕方にも田んぼの水の状態など確認する為に回りました。
(水入れに奥さんが出てくるところはありませんが、私たちは基本、2人で協力。)

水入れは、夜の0時以降、いつ始めてもよくて、人によっては0時から始める人もいれば、朝から始める人もいるそう。
夏は田んぼが乾いていて8時間くらいかかるとか!

朝から始めると、日中の暑さでかなりしんどい。
でも暗いうちに始めるとハミ(讃岐弁でマムシ)がいることもある。


私たちは朝4時半に開始しました。
水入れは、集落のすべての田んぼを4つのエリアに分けて行うので、私たちがこの日に担当したエリアは田んぼの数でいうと21枚だったと思います。

この日の2日前に雨が降ったので、田んぼの水が抜けていたところにも少し水がたまっていてラッキーでした。

作業はダンナサン一人でやりましたが、水が分かれて同時に複数の田んぼに入れている時など、手分けしてわたしが見に行ったり、とにかく2人であちこち行ったり来たり。
うちはバイクも自転車もないので軽トラで。

すると、バイクでわざわざ私たちを探して
水が止まってるところがある
と教えに来てくれたり、どこの田んぼを先に入れると早いかを教えてくれたり
そして、みんな口にするのが「ハミに気をつけろよ」!!
みんなやさしい。

この日の朝は空がとてもきれいでした。
朝6時半には強烈な日差し。
11時頃終了。
6時間半かかりましたが、途中、声をかけてくれた人が、下手したら夜までかかることがある
と言っていたので、まだ早く終わった方なんだと思います。

時間かかるし暑いし責任重大だし、やってみるまでは憂鬱だったけど、やってみて水入れの大変さもわかって感謝しますし、難しいと思っていたことが、案外そうでもないってこともわかったので、やってよかった
というのが2人共通の感想でした。








ぼくらの農園

東京から香川へ移住し2017年未経験から農業を始めました。農薬不使用、化学肥料不使用で、自分たちが食べて安心なお米と野菜を作ってます。